朝顔もまったく観察せぬまま9月も終る。これはかなりモラルに反した行為であるまいか。というわけで今日は「モラル」という事について書いてみたいと思う。
まずは、先般出版された「日本の電子音楽」の著者である川崎氏との初対面時の事について書く。この時のあれこれが、僕が「モラル」というものを考えだすきっかけになったと言ってもいいからだ。 いつだったか、おそらく数年前の事だ。それまでメールだけのやりとりであったのだが、研修のため横浜に来ているというのでニューグランドまで会いにいった。ところが、まず川崎の容貌。これがもういきなり失礼だ。「現音? グランジでも聴いてろ」といった具合に失礼なのである。「モラル」をはなはだしく逸脱していると言っていいだろう。これは一体どういう事なのか。実はそのとき川崎は前田(スモール・サイズ・ペンドルトン、前田興業)も一緒に連れて来たのだが、僕は最初前田を川崎だと思った程だ。二人を間違えたのは僕が原因だと言わんばかりの容貌で、議論以前に高みに立とうとするこういう姿勢がドナルド・キーンほど露骨ではないにしてもやはり不当であるように思う。
そして、前述したように川崎は前田も連れて来たのだが、これの失礼具合は言うまでも無いだろう。なぜなら僕は川崎と会う事を約束したのであって、それは決して前田と会う事を意味するものではないからだ。よって、来ただけでも「失礼」な前田なのだが、これまたその上容貌も「現音? ポジパンでも聴いてろ」といった具合に失礼なのである。失礼極まりないのである。前田は『僕、セントエティエンヌとかポップウィルイートイットセルフとか結構好きなんですよ』と言っていたが、これは「モラル」云々以前の問題であろう。その後、お互いに挨拶を済ませてからファミレスに入ったのだが、僕がアイスティを注文しているにもかかわらず川崎はラフロイグ(しかもカスク)をオーダーしたのである。この「失礼深度」もかなりのものだが、前田にいたってはヴァイオレットフィズだ。このオーダーは明らかに論理的正当性を欠いており、ファミレスにおける注文、すなわちオーダーのルールが確立され、スポーツ的に楽しく有意義なものとして広く認知されるべきだと思っている僕にとっては我慢ならない行為である。失礼この上ないと言えるだろう。 だが、「失礼」と言えば、西武コミュニティ・カレッジでの講義を延期した僕は皆に対して「失礼」であり、含み損をどんどん拡大させている嫁は僕に対して「失礼」であろう。いやもうだからさ、なんていうの、みんな「失礼」だよ!!
とにかくここで僕が言いたいのは「もっていくうた 」の「おいていくうた」、つまり失礼デプス(深度)はネオアコなんかにうつつを抜かしていた大学時代を切なく思い出してはキキとララってなんだっけ、そうそう例の学習机だよ、とかなんとか言いながらこの横浜で生きていくわけです。