九月二十二日

朝は六曜社で珈琲。修さんが淹れてくださった珈琲をゆっくりと味わううちに、今回の公演は「抽象再訪」という企画の一環であるからして音楽も抽象でやろうと決意する。二鶴に戻り素材とその結合をミュジーク・コンクレートに再構築。本番にどうにか間に合う。大急ぎで芸術センター内の前田珈琲で、ナポリタン(付いてきたサラダのマッシュポテトが美味しかった)。パーソナルな意味しか持たない音の意味的属性を剥ぎ落としていくと、その音は楽音へと変貌してしまう。図らずもドレミの外ではなにもできないということが露呈したわけだが、聴感上は昨日までの音とまったく違いはないので、誰にも気づかれなかったようで安心する。浅田彰さんが卓のすぐ右前にいらっしゃった。時折口元に手をやりながら真剣に鑑賞していらっしゃる。前よりはお気に召していただけた模様。最終的には徒労だと思う。開放的な気分で磔磔に向かい大友さんに挨拶。初日打ち上げは「円や」というところ。吉田屋は大友さん組の予約で一杯ということで入れず! でも美味しかった。鱧落とし、おでん各種、お刺身など。問い合わせの電話が二件。海老炒飯を薦めておく。三条ARTCOMPLEX地下のカフェ・アンデパンダンは、前回来たときとまったく変わってなくてよかった。空揚げ、フライドポテトなど。奥のパララックスでリュック・フェラーリなど衝動買い。いいお店です。宿舎であるAIRの一階には広いリビングがあって、初日終わってみんなで談笑&酩酊中、その隅に電子ピアノを発見。すかさず電源を入れて、適当な歌本を広げてばんばん頭から伴奏を勝手に弾いてゆく。役者さんたちはさすがによく歌詞を覚えていて歌も上手い。スピッツ大人気でリクエスト多し。朝方までやりました。就寝前ふと窓に目をやると、なにかの蔓が桟に絡まっている。