覚書(2)7/13

初日、8/13の朝の部は「ジェローム・カーン/アーヴィング・バーリン」ということで、20世紀アメリカ・ポピュラー音楽の草分けであるこの二人の曲を取り上げて、演奏と解説をします。ピアノはベロベロ音楽理論でおなじみの、先日の浴衣は可愛かったですね! 船山美也子せんせい。たぶん「All The Things You Are」とかやりますよ。楽曲の歌詞、その作られた背景などもたっぷりトークしたいところですが、この二人はとにかく物凄いんで(特にバーリン。面白すぎる。「規格外」という言葉はこの人の経歴ぐらいじゃないと使っちゃいけないんじゃなかろうか。エピソードの例を一つだけ挙げると、彼は101歳まで生きてます)、話だけで終わらないように気をつけます。あ、これまで録音された名演もプレイするよ。カレー食べながら(日替わり。初日は誰の何カレーだったかな? あとで調べてUPします)ゆったりデイ・タイムを楽しみましょう。
 んで、昼の部。この日だけゲストなしの一人しゃべりです。お題は「ニッポンの音楽批評」。先日、ジャズ喫茶いーぐるで、「音楽批評とは何か?」といったシンポジウムがおこなわれまして、わたし呼ばれないなー、と思いながら、大和田さんとか栗原さんとか磯部くんとか知人も多く参加していたので、会場の模様をちらっとだけU-STREAMで拝見しました。納得いく話が多く、とてもよかった訳ですが、このシンポジウムとは全く関係ない話として、いろいろ前から考えているのは、「音楽批評とは何か? とか、音楽批評とはこうあるべきでは? みたいに語っている人の多くは、それほど多く音楽批評を読んでいないんじゃないか?」ということです。よく「印象批評は良くない」みたいな話が出ますが、そういうこと言う人の多くは、それこそ「批評」を「印象」でしか捉えていないんじゃないかなーと。音楽がやられちゃうことと、同じことが批評文にもやられてる訳です。というわけで、いったん判断は停止して、出来るだけ多くの種類の日本の音楽批評を、まずはとりあえず並べて実際に読んでみようと。アマチュアの音楽批評のはじまりは、おそらく堀内敬三や太田黒元雄らがいた「音楽と文学」あたりからと考えるといいかもしれません。創刊は大正四年かな? のちの音楽之友社にも流れてゆくライン。で、あらえびすこと野村胡堂こと銭形平次の作者によるSP盤批評があり、小林秀雄がいて、ポップスでは戦前の「ダンスと音楽」があり、「軽音楽とその研究」があり、映画雑誌「スタア」などに寄稿されたミュージカルの批評があり、戦後一群のクラシック批評家の文章があって、スイングジャーナル、ニューミユージック・マガジン、ミュージック・ライフ、ジャズ批評、トランソニック……などなど(これまだ七〇年代までしか来てませんが)ミニコミまで含めるともう数限りない文章があるわけですよね。まあ、「音楽の友」と「Piper」と「Fader」と「Jazz Japan」と「bmr」をどれも毎号楽しみに読んでる。みたいな奇特な人はあんまいないわけで、いい機会だから(何が?)、小林秀雄とあらえびすと吉田秀和と高橋悠冶と間章と平岡正明と中村とうようその他沢山のライナーノーツ/ディスク・レヴューを読んで分析してみましょうか。という話です。たぶん、結論は出ませんが、もしかすると継続してやってゆく企画になるかもね。
 初日夜は、「俺はこんなもんじゃないと大谷能生」ということで、俺こんのみなさんと念願のセッションです。歌ったりラップしたりCDJスクラッチしたりコンダクトしたりと、大忙しになる予定。カヴァー曲多数! なんと一曲目からグランジ超有名曲! などという企画。俺こん、マジでカッコいいバンドなので、是非この機会に見に来てください。明日に続きます!