覚書8/15

覚書(2)が「7/13」とかなってますね…。このあたりにも本番直前の焦りが…。

敗戦記念日。日に日に死者の気配が濃くなる三日目の朝は片足切断の億万長者コール・ポーター。分業がはっきりしている(音楽業界でも組合の力が強い)アメリカ芸能界にあって、作詞作曲ともに完璧にこなした例外のひとりで(おなじく例外はやはりバーリン!)、特にね、歌詞がいいんですよ。わたしのもっとも好きな曲の一つである「Just One of Those Things」の歌詞を見ながら、シナトラ、エラ、ギル・エヴァンスその他のヴァージョンの聴き比べをしてみましょう。しかしこのタイトルがある歌本では「ただ一つのもの」と訳されててさすがに苦笑。きれいに正反対の意味ですね。「帰ってくれると嬉しいわ」とか、ポーターの詞は誤訳の宝庫で、彼の持って回ったシニックかつ洒落てる詞の意味ってけっこうストレートにとりにくいものが多いです。だがそこがいい。「さよならをいうのはすこしのあいだ死ぬことだ」←チャンドラーの「長いお別れ」で、フランス人の格言となってましたけど、これもポーターの詞。
昼は地域密着・拠点日本・演劇LOVE! を掲げて全国を飛び回る「東京デスロック」主宰の多田淳之介さんをお呼びして、2011~12年を席捲した「再/生」という作品の各公演ごとの変化を中心に、「演劇においてテキストとは何か?」「戯曲がない演劇を演出する作業とはどのようなものか」「何と何があれば演劇は成立するのか」みたいな話を聞きたいと思っています。なんて、いま考えたんですが。いろいろと参考資料の上映もある、かも(多田氏のPCが壊れてなければ)。
夜の部! じゃーん。なんとベースに不破大輔氏、ドラムに池澤龍作氏をお迎えしての、完全シュート・フリー・ジャズ・ナイト・サックス・トリオ無制限一本勝負(だがおそらく中休みはあり)をお送りします。不破さんの演奏、大好きなんですよね。フェダインみによくエアジンとか行ってたものです学生時代。先日も渋さに混ぜていただきましたが、こうやって一緒に演奏できるのは冥利に尽きます。池澤さんとははじめて……じゃないな、確か、ノイズ中村が取ってきた変な仕事(前半:素人歌手のうたばん。後半:大暴れフリーセッション)で一緒にアサヒ・アート・スクエアに出てる。はず。あれはなんだったのか…。がっつりやるのは初めてなので、すごい楽しみです。