覚書8/15

覚書(2)が「7/13」とかなってますね…。このあたりにも本番直前の焦りが…。

敗戦記念日。日に日に死者の気配が濃くなる三日目の朝は片足切断の億万長者コール・ポーター。分業がはっきりしている(音楽業界でも組合の力が強い)アメリカ芸能界にあって、作詞作曲ともに完璧にこなした例外のひとりで(おなじく例外はやはりバーリン!)、特にね、歌詞がいいんですよ。わたしのもっとも好きな曲の一つである「Just One of Those Things」の歌詞を見ながら、シナトラ、エラ、ギル・エヴァンスその他のヴァージョンの聴き比べをしてみましょう。しかしこのタイトルがある歌本では「ただ一つのもの」と訳されててさすがに苦笑。きれいに正反対の意味ですね。「帰ってくれると嬉しいわ」とか、ポーターの詞は誤訳の宝庫で、彼の持って回ったシニックかつ洒落てる詞の意味ってけっこうストレートにとりにくいものが多いです。だがそこがいい。「さよならをいうのはすこしのあいだ死ぬことだ」←チャンドラーの「長いお別れ」で、フランス人の格言となってましたけど、これもポーターの詞。
昼は地域密着・拠点日本・演劇LOVE! を掲げて全国を飛び回る「東京デスロック」主宰の多田淳之介さんをお呼びして、2011~12年を席捲した「再/生」という作品の各公演ごとの変化を中心に、「演劇においてテキストとは何か?」「戯曲がない演劇を演出する作業とはどのようなものか」「何と何があれば演劇は成立するのか」みたいな話を聞きたいと思っています。なんて、いま考えたんですが。いろいろと参考資料の上映もある、かも(多田氏のPCが壊れてなければ)。
夜の部! じゃーん。なんとベースに不破大輔氏、ドラムに池澤龍作氏をお迎えしての、完全シュート・フリー・ジャズ・ナイト・サックス・トリオ無制限一本勝負(だがおそらく中休みはあり)をお送りします。不破さんの演奏、大好きなんですよね。フェダインみによくエアジンとか行ってたものです学生時代。先日も渋さに混ぜていただきましたが、こうやって一緒に演奏できるのは冥利に尽きます。池澤さんとははじめて……じゃないな、確か、ノイズ中村が取ってきた変な仕事(前半:素人歌手のうたばん。後半:大暴れフリーセッション)で一緒にアサヒ・アート・スクエアに出てる。はず。あれはなんだったのか…。がっつりやるのは初めてなので、すごい楽しみです。

覚書(3)・8/14

7days二日目、朝の部のテーマは「ジョージ・ガーシュイン」です。曲は何やろうかな。名曲&名演奏多いんで、いまさら自分がやらんでもいい気もしますが、パーカーとオーネットが両方ともやってる唯一の曲「エンサイブレム・ユー」は取り組んでみたいところ。あと「サマータイム」はやるか。夏だし。エピソードとしては、「ラプソディ・イン・ブルー」初演のコンサート「All American Music Concert」とはどういったものだったのか? などの話が面白いかも。楽理的な話でいえば、バーリン&カーンにはあまり多くない2-5-1-6の新たな定型の完成と、また、その進行に対して1-4-1-4の反復を基準点として持つブルース(カンザス・リフ)奏者がどのようなフレージングでアプローチし、「モダン」ジャズへの道を切り開いたのか、というのが焦眉となります(が、この話はやんないと思います。ガーシュインのテニスのスタイルの話だけして終わるかも)。
昼の部は、「ジャニ研、リターンズ!」ということで、6月まで全5回にわたってまさしく荻窪ヴェルサンを舞台に続けられてきた、ぼくのわたしのジャニーズ研究会の真夏の特別編であります。現在上記企画は絶賛書籍化リライト中で、とりあえず第3章まで初稿の手直し済んだところ。いや、何度か足を運んでもらった方はわかると思うのですが、われわれにとっても、はじめた頃には思ってもいなかった領域までジャニーズ考察は進みまして、秋の書籍化でその成果は全面的にお届けできるはずですが、現在同ベルサンで行われている栗原・豊崎両氏の石原慎太郎研究に並走して述べれば「慎ちゃん(ジャニーさんと一歳違い)は次のオリンピック誘致に関して「ジャニーズ」とではなく「エグザイル」と組む。その理由」などの話を当日はする予定です。しかしV6の新曲「kEEP oN」の完全ミュージカル仕様はいろいろな意味ですごい。これはいったい何に対するアンサー・ソングなんだろうかと考えると熱帯夜も眠れません。そして帝劇の「ジャニーズ・ワールド」のHPがすごい…
http://www.tohostage.com/j-world/index.html
ジャニーさんと同じく、ぼくたちも本気です!
夜の部は、「MJQT・プレイズ・「サードストリーム」ゲスト:スガダイロー」ということで、2サックス/2鍵盤/リズムレス。という変則編成でお届けする魅惑の室内楽フリージャズ。ジョン・ルイス、チャーリー・ミンガス、ビル・エヴァンス、リー・コニッツ、ジェリー・マリガンなどなど、ややこしい曲を作るジャズメンたちの曲+オリジナル楽曲を、原曲を研究し尽くした果てにたどり着く脱力的な解体作業でもって、エネルギッシュに演奏する所存です。スタン・ケントン楽派とか(そんな楽派はない)ジミー・ジェフリー3とか、ショーティー・ロジャーズとか好きな人は見逃す手はないかと。いや、普通のジャズファンでも全然楽しめると思いますのでっ! ジャズファンじゃなくても大丈夫だと思いますしっ! (つづく)

覚書(2)7/13

初日、8/13の朝の部は「ジェローム・カーン/アーヴィング・バーリン」ということで、20世紀アメリカ・ポピュラー音楽の草分けであるこの二人の曲を取り上げて、演奏と解説をします。ピアノはベロベロ音楽理論でおなじみの、先日の浴衣は可愛かったですね! 船山美也子せんせい。たぶん「All The Things You Are」とかやりますよ。楽曲の歌詞、その作られた背景などもたっぷりトークしたいところですが、この二人はとにかく物凄いんで(特にバーリン。面白すぎる。「規格外」という言葉はこの人の経歴ぐらいじゃないと使っちゃいけないんじゃなかろうか。エピソードの例を一つだけ挙げると、彼は101歳まで生きてます)、話だけで終わらないように気をつけます。あ、これまで録音された名演もプレイするよ。カレー食べながら(日替わり。初日は誰の何カレーだったかな? あとで調べてUPします)ゆったりデイ・タイムを楽しみましょう。
 んで、昼の部。この日だけゲストなしの一人しゃべりです。お題は「ニッポンの音楽批評」。先日、ジャズ喫茶いーぐるで、「音楽批評とは何か?」といったシンポジウムがおこなわれまして、わたし呼ばれないなー、と思いながら、大和田さんとか栗原さんとか磯部くんとか知人も多く参加していたので、会場の模様をちらっとだけU-STREAMで拝見しました。納得いく話が多く、とてもよかった訳ですが、このシンポジウムとは全く関係ない話として、いろいろ前から考えているのは、「音楽批評とは何か? とか、音楽批評とはこうあるべきでは? みたいに語っている人の多くは、それほど多く音楽批評を読んでいないんじゃないか?」ということです。よく「印象批評は良くない」みたいな話が出ますが、そういうこと言う人の多くは、それこそ「批評」を「印象」でしか捉えていないんじゃないかなーと。音楽がやられちゃうことと、同じことが批評文にもやられてる訳です。というわけで、いったん判断は停止して、出来るだけ多くの種類の日本の音楽批評を、まずはとりあえず並べて実際に読んでみようと。アマチュアの音楽批評のはじまりは、おそらく堀内敬三や太田黒元雄らがいた「音楽と文学」あたりからと考えるといいかもしれません。創刊は大正四年かな? のちの音楽之友社にも流れてゆくライン。で、あらえびすこと野村胡堂こと銭形平次の作者によるSP盤批評があり、小林秀雄がいて、ポップスでは戦前の「ダンスと音楽」があり、「軽音楽とその研究」があり、映画雑誌「スタア」などに寄稿されたミュージカルの批評があり、戦後一群のクラシック批評家の文章があって、スイングジャーナル、ニューミユージック・マガジン、ミュージック・ライフ、ジャズ批評、トランソニック……などなど(これまだ七〇年代までしか来てませんが)ミニコミまで含めるともう数限りない文章があるわけですよね。まあ、「音楽の友」と「Piper」と「Fader」と「Jazz Japan」と「bmr」をどれも毎号楽しみに読んでる。みたいな奇特な人はあんまいないわけで、いい機会だから(何が?)、小林秀雄とあらえびすと吉田秀和と高橋悠冶と間章と平岡正明と中村とうようその他沢山のライナーノーツ/ディスク・レヴューを読んで分析してみましょうか。という話です。たぶん、結論は出ませんが、もしかすると継続してやってゆく企画になるかもね。
 初日夜は、「俺はこんなもんじゃないと大谷能生」ということで、俺こんのみなさんと念願のセッションです。歌ったりラップしたりCDJスクラッチしたりコンダクトしたりと、大忙しになる予定。カヴァー曲多数! なんと一曲目からグランジ超有名曲! などという企画。俺こん、マジでカッコいいバンドなので、是非この機会に見に来てください。明日に続きます!

7days覚書(1)

さて、いよいよ八月に入りまして、さきほどMJQT+弧回用のアレンジ譜面を書き終えて仕事部屋から出て、暑さと睡眠不足で朦朧としながらとりあえずテレビを点けると、なんか背は小さいが筋骨たくましい男子たちがハイっと手を挙げては入れ替わり立ち代わり、床の上を走っては物凄い勢いで飛んだり跳ねたりクルクル回ったりしていて、なんだろう、これは…とあっけにとられて見ていたのですが、オリンピック。と思わず体言止め。になってしまうほど、世間の動きとは切りはなれてここ数週間は準備にかかりっきりでしたよ! 何が? 何の? もちろん八月一三日(月)~一九日(日)まで荻窪VELVETSUNでおこなわれる3×7=21連続公演の準備です! そろそろリハ&打ち合わせも佳境に入り、全体像が本人にもようやっと見えてきたので、遅まきながら告知というか、各日の内容予定をこれから隔日くらいのペースでざくざくUPしていきたいと思いますのでよろしくです。
ご存じの方は多い、というか、現在四〇歳以上のジャズ・ファンならとーぜんお分かりのことでしょうが、今回のこの企画、一日「朝の部・昼の部・夜の部」三公演という形態は、七〇年~八〇年代の新宿ピットイン採用されていた伝説のシステムに対するオマージュです。この当時の新宿ピットインには「朝の部」(たしか11:30~open)があって、ピットインで演奏するためには通常この「朝の部」に何度か出演し、自身の腕前を店と先輩方に認めてもらい、その後、昼の部に自分のセッションやグループで出て、さらに夜に出演するグループに引き抜かれて出る、といった手続きを踏む、いわば、オーディション的な役割を果たす公演時間帯があったのでした。この「朝の部」は、手元に資料がないので明確に日付を示せないのが残念ですが、ピットインが現在の場所に移転したあとも(92年、93年かな? どっちだっけ?)、確かしばらくは続いていたはずで、なんだけど、ぼくが演奏をしはじめたころにはもう終わっていて、結局ぼくはこの「朝の部」に出ることは出来なかったという訳です(お客さんとしては91年に横浜へ移ってから2,3回行っており、この時の印象も強力なんだけど、この話はまた違う場所で)。
 なんらかのイベントに間に合わなかった、ある特別な空間に出会い損ねた、あとから来たので立ち会えなかった、という経験がもしあるとするならば、ぼくはおそらくこの「ピットインの朝の部」がそれであり、7days企画をやらせてもらえることになったとき、ほとんど無意識的にそのスケジュールに「朝の部」を加えることを決めていたのは、飽きっぽい自分としてはめずらしく、思っているよりずっと深く、この時代のこの場所のサウンドにまだ囚われているのだと思います。
 それはともかく! いろいろ考えた結果、「朝の部」は毎日日替わりで
1) スタンダードの名作曲家を一人or二人取り上げて、楽曲の演奏と解説をおこなう
2) 日替わりでカレー・ランチ付き
 という演目になりました。7daysを乗り切るために、毎日とりあえず昼はおいしく健康的なカレーでも食べよう! むしろ毎日規則正しく仕事と食事をして、七日間で健康になって横浜に戻ろう! 7days荻窪ダイエット! という勢いであります(続く)。

無事帰国

しております。ネット環境あまりよくなくて旅先からブログ更新できませんでしたー。
現在絶賛時差ボケちう。なんですが、今日は「こえサイファー」@文京区シビックホールです! 
朗読DUOで出演で、いま新作オリジナルいちおうまとまりました。
みなさまぜひヨーロッパの長い夜で微妙な日焼けをした大谷の顔でも見に来てくださいー。
では。欧州ツアー後半は気が向いたら書きます。

ルーマニア本番直前

またもや欧州に飛んでおります。今回はルーマニアはシビウという街。徒歩移動時間その他ふくめて、横浜→成田(2h)→ヒースロー(12h+トランジット5h)→ブカレスト(4h)→シビウ(車待ち2h+5h車移動)=30時間!のdoor to doorでホテルに到着。座りっぱなしでさすがに腰がヤバくなりそうで(尻はもともと割れている)、降りてからストレッチなどで細かくほぐす。ヨーロッパでも大き目の演劇祭で、町中使っていろいろやっているなか、われわれは中くらいの広場での公演となっている。で、いま無事サウンド・チェック終えてゲネ待ちなのですが、雨がけっこう降っているんですね。湿度が低いんで軽い感じの雨なんだけど、やはりダンス公演を見るには厳しいので、なんとかあがってほしい。本番まではあと6時間ほどかな。たのむぜー。以下シビウ雑感。野良犬が多い。なんか懐かしいですね。首輪をしてない野良犬は耳にタグがついていて、みんななんか心なしか情けない顔をしていて、かわいい。しかし集団でやってこられるとやはり怖い。物価はとても安いです。両替もっとしておけばよかった。皮のサンダルを日本円で2600円くらいで購入。ルーマニアの女性は好みの感じが多いなー髪の毛とかきれいだし、眺めてて楽しい。スズメとムクドリの目が小さくてかわいい。ホテルの受付のおじさんが韓流歴史ドラマを見てた。たべものはチョルバ(スープ)が美味しいです。あと、街頭で売ってるリング状のゴマパンとか。いろいろ動画撮ったのでのちほどUPするかもしれません。あ、雨ちょっと小降りになったかも。このまま晴れろー。

欧ツニ日#5

・今回の滞在では金魚女子チーム、ナオさんを中心にした料理が素晴らしくて、食事に関してはなんのストレスもありませんでした。

・ぼんやり座っていればいろんな食べ物が出てくるという普段ではあまりない状態

・物価は高いのかな。外食はおそらく日本と同じくらい。水とビールは安いね。

・イギリスでおいしいもの

・バター、クリーム、サワーなど、バターナイフで切り取って何かに塗るもの。これはだいたい全部まじ美味しい

・ベリー、マーマレード、その他ジャムのたぐい。これも同じく

・ハード系のチーズ。特にチェダー

・ルッコラとつまみなを足して二で割ったみたいな野菜

・薄―く切られたブレッドを軽く焼いたもの。ちいさめのスコーン。ふすまみたいな軽いビスケット/テーブル・ウォーター

・厚めのベーコンを端が焦げるくらいに焼いたもの

・ハーブの香り

・こう挙げてくと、どっちかというと朝ごはん系のものばかりですね

・飛行機内で飲むスティル・ウォーター

・機内食はままごとみたいで基本的に大好き

・生牡蠣と白ワイン(シャルドネとか。なんでもいいけど)

・モルト・ヴィネガー

・トルコとギリシャ・レストランの家庭風大皿料理。インド料理はまだ行った事ないですが、おいしいんだろーなー

・基本的に、毎日毎回三度の食事が、すべて打ち震えるほど感動的に美味しい! ということが当然だと思っています。ごはんは日々食べるんだから常に廉価かつ超美味しいものでなければ。丸本淑生派。家でも外でも

・あの人たちも、オートミールとか「美味しい!」と思って食べてるんじゃないと思うんですけどねー

・イギリスでおいしくないものに関してはまたいずれ。実は、いま一度日本に戻ってきております

・ヒースローから成田まで12時間かけて戻って、そのまま東京デスロックの「モラトリアム」の舞台あわせに直行

・これが、一回8時間×2回の上演。

・ついたその次の日にはsim×qubibiのライブが渋谷wombで昼から

・15時間かけて英国から横浜に移動して、そのままSTSPOTで8時間耐久モラトリアム

・さすがに、途中で切り上げて帰ってゆく役をやらせていただきました

・とはいえ面白かった。感想などあとでまとめると思います

・その他、今日は諸連絡&曲アレンジ詰めなど。あと金冠日食もあったらしい

・もりだくさんだなー。次回はまた欧州、今度はルーマニアです

・乗り換えほんとやだ。無事をお祈りください。

欧ツ実ニフ日#4

・音の修正をすませて、タクシーで会場に

・DURLSTON CASTLE内の、GLOBE MONUMENTがある広場

・ということだったのが、これが! ジュラ紀の断崖絶壁から360度海を見下ろす自然公園のどんづきで

・アクティング・エリアはかなりの急勾配。上から見ると目の前にどかーんと海と空がひろがっており、これはものすごい場所での公演である

・この日は天気も良かったのでまさに絶景。眺めにトリミングがないのはいいですね。

・しばし海を眺めて世界の行く末に思いをはせる(嘘)

・ぼちぼち仕込み進行中。とりあえず公園と施設を散歩しながら待機

・何気なく紫蘇みたいな葉っぱを手でちぎろうとしたら、これが見た目とちがって凶悪な硬さで、びっしり生えている細かい棘が刺さってすげー痛かった

・こちらの植物はみな頑丈なので注意

・書き忘れていましたが、今回のパフォーマンス。照明は藤本さん。テクニカルと舞台監督に遠藤さん

・どちらも世界を股にかけて仕事をされているベテラン。共通の友人はたくさんいるけど、ご一緒するのはほぼ初めて。磐石の布陣で安心感ハンパない。

・遠藤さん、くわえタバコでモニュメントの上に土足で足をかけながらガシガシ照明を組んでゆく

・レンタルのスピーカー、なんとFanktion One!だった。最高

・ちなみにDOMMUNEにあるのと同じやつです。音出すの楽しみ

・だんだん藤本さんのLED照明を配置するセットが組みあがってゆく

・が、それにつれて陽も落ちてゆき急速に外気の温度が低下してゆく

・寒暖差やばい。冬物のウィンドブレーカー持ってきてよかった

・すでに22:00をまわり、暗闇のなかでとりあえずのサウンド・チェックだけして今日は終了。キム・ジハの「五賊」を読みながら就寝。

・そして起床。朝イチで現場入りするテクニカル・チームに仮固めした全編通しのwavファイルを渡して、朝食

・トルコ式コーヒーの淹れ方を教わる。粉入れて熱湯を注いで漉しながら飲むの

・ネットにつながったのでメール・チェックその他いろいろと事務連絡

・むむ。どうやら帰国したら、成田空港からそのままSTスポットに行って「モラトリアム」の作業をしなくてはならんようだー

・時間あるので、なんとなく帰国後用の音のファイルを組み立てたり解いたり

・リヴィングの本棚をぼんやり見てたら、SAUL BASSの仕事をまとめた大型本を発見

・大谷的トラウマNO.1映画タイトル・ロール「サイコ」のグラフィック・デザイナーです。大好き

・奥付みたら2011年刊行で、これは知らんかった。帰ったら注文しよう

・12時過ぎから歩いて町に出てみる。ビーチ沿いに10分くらいでパブとかあるブロックに到着。お土産屋さん多し

・はずれにある、海に面した半分屋台的なレストランで、オイスター×3、白ワイン。うまい。おかわりとか海老のカクテルでCAVAとか、地元のエールを1パイントとカニゆでたのにソースつけたのとか羊のアバラ肉を香草で焼いたやつで赤ワインとか、いろいろ欲しくなるが我慢して会場に

・ファンクション・ワンで音を頭から最後まで流してみる

・抜け最強にいい。遮蔽物が隣の大陸までないから当然か。とは言え、唖然とするくらいハイファイで、持ち込んだヘッドフォンより音いいかも。低音もばっちり

・途端にこのシステムでプレイしたくなる音楽&ライブが無数に浮かんでくる。が、今回は自分の音だけしか持ってきてないんだよねー。失敗した。もったいない。

・湯浅譲二先生の「ホワイト・ノイズによるエセンプラティック」(略称:ホワノイのプロエセ)なんか鳴らしたら最高だっただろうな。あと、メルツバウとか。

・高音フィードバックの音域が抜けが良すぎて分離してしまっている。耳にキツイのでそのトラックの音量を下げるなど微調整を一時間ほど

・いや、かなりいい感じです

・本番定刻まで待ってゲネプロ開始

・20:30スタート予定なのですが、この時間になっても陽が沈みきってくれず、藤本さんのLED照明が見えにくい。うーん。もうちょっと開始遅らせればいいんだけど、それもむつかしいのかな

・無事通し終了。ダンサーの踊る場所が広がった分の時間を修正

・宿に戻って就寝。吉本隆明の「最後の親鸞」を読みながら寝てしまう

・絶対他力本願とは何か。パウロの話を思い出したり

・最後の隆明は、どんな感じだったのかな

・PC業界は惜しい人を亡くしましたねー。冥福を祈りましょう

・スティーヴン・成仏

・なんちて

欧ツ実況ニフ箇条日#3

・翌日は時差ボケもなく、さくっと7:00に起床。やれば出来る

・というか、仕事が詰まりすぎているのが逆に幸いしてるんだろうな

・どっかでコケたらそのあとのスケジュールが壊滅しかねんこの緊張感

・宿泊先のコテージは内湾に面しており、窓から海と丘と芝生が見える絶好のロケーション

・部屋何個あるのかな?丘を使った三階建てで(実質5層か)、こぢんまりとしながら実に使い勝っても居心地もよい。これまでで最高の宿泊待遇であろう。

・なんとワイン・カーヴまであった。目の毒なので早々に退散

・住んでみて気がついたのだけど、これ、古い日本家屋に似てるな。日本の家屋は渡り廊下や縁側で部屋をつなぐけど、イギリスでは階段がその役目。とかなんとか。

・さて、本日の稽古は隣町のホールで9:00~12:00。

・作曲をPCでプレイしながら各トラックの音量その他を細かくチューニング&トリートメント

・その後、サックスを入れるパートを決めて、ダンサーの動きを見ながらダビングしてゆく。やってることは日本とかわりませんね

・途中で電圧変換器が熱で落ちてあせった。PCアダプタ二台つないではいかん。

・無事に作業終了して、大谷だけコテージに戻って編集作業

・帰りは単線のローカル鉄道で、なんと! これが蒸気機関車だった

・駅で待っていると向こうからシュポーっとリアル機関車トーマスが到着。車輪とかでかくてぐるぐる回ってかっこいい

・大谷さんて結婚されてるんですよね

・そう。トーマスです

・え?

・きこんしゃトーマス

・(ギターの高井(康)さんから教えてもらった駄洒落)

・四人がけコーチ車両などもちゃんとあり、犬もちょこちょこ居てマジ世界の車窓からなんだけど、10分くらいで目的地についちゃった

・おなかが空いたので、コテージに戻る前に、これは食べとくでしょ、ということでフィッシュ&チップスにトライ

・一人前6~7.5ポンドほど。開店早々だったからか、作り置きではなく揚げたての熱々が出てきた。チップスもタラも毎度だが予想よりも多いです。

・一口食べて思い出す。イギリスの料理は基本的に素材の味しかしない

・ジャガイモもタラも胡椒はおろか塩すら振られていないフライ

・パネルアタック25ならこう言われるね

・なぜ、下味を付けない

・出来立てだったのでなんとか食べられました。イギリス料理は結局卓上のモルト・ヴィネガーが一番美味いんじゃないだろか

・コテージに帰って音のまとめ作業。夕方にはようやく現場入りです。

欧ツアーニフ箇条書日録#2

・つー訳で、宿泊先であるswanageのコテージに着きました

・イギリス南部の海岸沿いの町で、どうやらリゾート地らしい。しかもかなり高級な。

・このあたりの海岸ジェラシック・コーストはユネスコ自然遺産にイギリスでははじめて登録されたんだそうで、その丘に立つDurston城の公園で公演するという企画。

http://etude-project.tumblr.com/

・swanageは、おそらくイギリスにおける江ノ島とか逗子とか伊豆みたいな感じか? 避暑地ですな。老人が多いや。

・泊まりのコテージは非常に手入れのいきとどいた古い日本家屋的な存在感のある

・や、まだ日録では飛行機に乗ったところでした。話を戻します。

・前回のイギリス旅は三人づれで、さんざん機内サービスアルコール頼みまくり、わいわい飲み食いしながら飛んで行ったのだが

・今回は一人旅。しかも着いてすぐに仕事ということで、おとなしーくしておりました

・寝ておきて機内食たべてまた寝て(×2)、なんの感慨もないまま、ほとんどあっという間にヒースローに到着

・入国審査でイギリス語が聞き取れず若干もめる

・何言ってんだかわかんないので何度も聞き返すと、露骨に舌打ちして苛立ちを隠さない女性入国審査官

・イギリス人のイギリス語は訛りが強すぎて早口だとほんと聞き難い

・ちっとは異国の人間に気つかえやこの田吾作が

・失礼

・無事入国し、バス・ターミナルで高速バスに乗ってさらに二時間

・バス内部の時計がなぜか「22:30」みたいな表示になっており

・しばらく見つめながら考えてみるが理由はわからず

・だんだん尻が痛くなってきた時分にようやっと稽古場に到着。でもまだ昼の15:00なんだよなー。一日長い長い

・時差だけじゃなくて、イギリスは21:00くらいまで外が明るいのです

・このあとコテージに戻って夕食の買出しに行き、金魚女子チームによる夕飯を食して、だらだらビール飲んでみなさんと雑談してから就寝。明日は8:30!から稽古である。はじめて全編通して音とあわせるので大変だー。ではまた。ここまでほとんどトラブルなし!